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会員の視察・旅行記

吉田亜希子のUSA JOURNAL 2015年2月号(2015.2.1)

あけましておめでとうございます。今年、日本のお正月はいかがでしたでしょうか?こちら、初めてのアメリカでの年越しは、華やかだったクリスマスシーズンから一転、何だかとても静かにひっそりと過ぎていった感じでした。

キリスト教での正式なクリスマスの終わりは1月6日の「公現祭」。キリストの誕生を聞き、東方から3人の賢者がお祝いを持ってベツレヘムを訪ねた日なのだとか。その為クリスマスツリーなどの片付けもその日を過ぎてから。ですので年が明けても特に街の雰囲気が大きく変わることも無く、TVでもサンタのCMがクリスマス過ぎても流れており、、、(25日以降にそれらを見ると急に色褪せて見えるのは日本人的な感覚なのでしょうか?笑)こうして見ると、毎年当たり前に過ごしてきた日本の年越しでしたが、大掃除をして家を整え、初詣で「年明け!さぁ心機一転!」という清々しい心持ちになり、御節を食べて新年を迎える、、。あの習慣や感覚はやはり日本独特で素晴らしいものだなぁ、と改めて感じました。

そんな中、我が家はこの1月に5日間の休暇をとってフロリダのオーランドにあるディズニーリゾートに行ってきました。良い歳をしてディズニーってどうなんだろう?という若干の不安を感じながらも、せっかく飛行機で2時間のところに住んでいるのだから是非行きたい!と思い、「俺はあんまり興味無い…」と言い続ける主人を引っ張って、アラフォー夫婦2人でミッキーに会いに行ってまいりました(笑)。

既にご旅行で行かれご存知の方も多いと思うのですが、フロリダのウォルトディズニーワールドリゾート(以下WDW)は、4つのディズニーパーク、2つのウォーターパーク、6つのゴルフコースやレースサーキットに、20のリゾートホテルを内包するアメリカを代表する一大リゾート施設です。約122㎢という広大な敷地は山手線の約2倍!。実際、空港からレンタカーを借りて向かったのですが、WDW内に入ってからも、広大なゴルフコースや湖の間を片側4車線の道路が縦横無尽に巡り、ホテルになかなか着かないという桁違いの広さでした。

しっかり全部を満喫し、ディズニーマジックにかかり、写真ももっと山の様にありますが(笑)、ここでディズニーのテーマパークを語るのもどうかと思いますので、この辺で自粛…。
今回は、私がWDWに行って感じた「日本との違い」についてお話ししようと思います。

今回感じた一番大きな事、それはWDW内の年齢層の広さ、お年寄りの多さでした。そしてそれは来園する人々についてだけでなく、WDW内のホテル、レストラン、テーマパークで働くキャストについても同様でした。

来園する人々の年齢層が様々であることについては、アメリカのWDWが子供達の為のテーマパークを越えた、完全なリゾート施設として成り立っていることも一つの要因ではあると思います。私達が今回泊まったのも「ディズニーヨットクラブリゾート」というリゾートホテル。ホテル敷地内の美しい湖に何艘ものヨットが浮かぶ光景は、ディズニーというより高級別荘地のヨットハーバーにいるかのような雰囲気。朝は音楽を聴きながら湖畔をジョギングする人々が各所に見られ、昼はヨットに乗ったり、湖畔で本を読んだり、サイクリングを楽しむ人々。そして夕方になれば湖を臨むホテルのデッキで、大人の素敵なご夫婦がお酒を飲みながら語り合う姿が毎日見られました。勿論、お子様連れの家族が楽しめるディズニー色いっぱいのホテルや、客室から本物のキリンや象が見られるサファリパークの中にいるようなホテルなど、アミューズメント性を重視したホテルも沢山あります。ただその一方で大人が大人の休日を楽しむ為の場所が、きちんと高いレベルで作られていることに、多くの年齢層の心を掴んでいるWDWの魅力を改めて感じました。

でも!アメリカの大人達は勿論、テーマパークも満喫します!!当初アラフォー2人でディズニーってありかな〜?なんて考えていた自分が馬鹿らしくなるくらい、WDWのテーマパーク内には、子供連れ家族に限らず、20代〜70代?80代?と思われるグループやご夫婦も沢山!ジェットコースター系の乗り物の列に「怖いわ〜♡」と言いながら旦那様と並んでいる可愛らしいおばあちゃんも本当に沢山いました。アメリカのこういう所。年齢や性別、人種、一人であるとか無いとか、そういう本来なら関係無いはずのところで人の目を意識してしまう偏見や先入観が全く無い、、そういう寛容さは本当に本当に素晴らしいと思います。

そして勿論雇用する側の規定などもあるかとは思いますが、その様な寛容さが又、定年退職後ディズニーで働いてみたいと思う様な、体も心も若く柔軟な考えをもつ、元気な高齢者を沢山生むのではないかと思います。一つのアトラクションに乗った時、入り口で入場チェックをしてくれた車椅子のおじいちゃんキャストが、手元のコンピューターに出た私の名前を見て「アキコって読むの?いい名前だね〜!」って言ってくれたのがとても印象的でした。何でもないちょっとした一言ですが、長い年月と経験を経た高齢者のこういったユーモアや笑顔には、ディズニーが行う素晴らしいキャストへの接客教育を越えた、何か温かいものが沢山詰まっているような気がします。

日本でも高齢化が進み、退職後の生き方について皆が考え、高齢者をターゲットにしたマーケットについても研究が進む昨今。今回WDWでこのようなアメリカの現状を見て、私達が今後日本で仕事をしていく上でのちょっとしたヒントは、もしかしたらこんなところにも沢山あるのではないのかな?なんて、そんなこともふと思った今回の旅行でした。
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