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活動報告

IIDA Japan Chapter 「NIPPON DESIGN 壁紙アワード 2019」関連セミナー(2019.6.1)

5月21日(水)株式会社シノダ会議室にてIIDAJapanChapter「NIPPONDESIGN壁紙アワード2019」関連セミナー”伝統的な加飾の技についてのセミナーとからかみ屋ショールム見学会”が開催されました。

今回のセミナーは、株式会社太陽×IIDAJapanChapterがタッグを組み、国内外に発信する新しい壁紙のデザインコンペティション開催に向けて企画したもので湯島アートの一色清氏を講師にお迎えし、伝統的な加飾の技についてのお話と技のデモンストレーションをしていただきました。

<伝統工芸についてと床の間の文化と室内装飾紙>

近年注目が集まる日本の伝統工芸。
伝統工芸についてと床の間の文化と室内装飾紙の解説をしていただきました。
伝統工芸の概念は、明治時代に生まれ、万博博覧会の出展にあたり、純粋美術と工芸品に大別。伝統工芸は、100年以上続く業界・技法・図柄が必要とのこと。

床の間の前身は、平安時代の貴族の「押し板文化」から書院造りに映る頃に床の間が形成され、貴族から武家、民間へ広がり、その家の主の美意識の魂が床の間に現れるものでした。室礼には調度品とともに、襖や室内装飾紙が重要となってきました。室内装飾紙には、建材機能と工芸品性の両面が大事であるとおしゃってました。

日本が世界に誇る伝統的なものづくりは、そういった長い年月と職人さんの高度な技術に支えられてきたのですね。一色さんの言葉からストレートに伝わってきます。

<伝統的な加飾技術>

加飾技術① 金箔砂子
加飾技術② からかみ木版
加飾技術③ 刷毛引き
加飾技術④ 墨描加飾技術⑤櫛引
加飾技術⑥ 墨流し

それぞれの技法と表情の魅力を教えていただきました。
<金箔砂子>の輝きと品、<からかみ木版>転写の表情の偶然性、<刷毛引き>の独特の風合い、<墨絵>の手書きの緊張感、<櫛引>の柔なか濃淡の線の美しさを感じました。
<墨流し>の技法は平安時代から1000年以上の歴史を持つ技法で、多くの要素が微妙な影響を及ぼすので同じものを作ることのできない偶然性と強い技法。
波紋の模様を紙に写しとた時に、参加者から歓声が上がりました。いつもそうだとおっしゃってました。

初めて、加飾を施すところを見せていただき、美しさと楽しさを感じました。素材や工程、伝統の技術を知ることでより製品に対する愛着が湧きます。

<伝統的な加飾技術のデモンストレーション>
<からかみ屋ショールーム見学>

からかみ屋さんは、一品製作によるふすま紙や壁紙などの和紙のショールームです。
インテリアコーディネーターの宮本様より一点一点、丁寧にご紹介いただきました。
金銀の白を用いる砂子細工や、木版摺りの技法を用いた雲母摺り、顔料や染料の染付や摘み加工などの伝統的な技法と越前鳥の子和紙の表現を織り交ぜながら、注文製作による和紙づくりをしています。ぬくもりが伝わってきます。

帰りに参加者全員に「うすよう」と「しおり草」という見本帳をいただきました。
「うすよう」は、雁皮を原料とした薄く漉いた斐紙を指し、平安時代の王朝文化を象徴する華麗で優美な和紙としてもてはやされたもの。掲載品の中に、雁皮紙、三椏がみ、麻紙等が掲載されています。華麗で優美な「伝統工芸品」です。
「しおり草」は、染料を使った「浸し染め」の技法による手作り一品製作の「染め紙」を用意。手作りならではのデザインが楽しめます。

見本帳を見ているだけでも、嬉しくなります。

今回のセミナーは、うつろいやすさ、物の哀れ、自然に対する思い、本質的なものを求める日本人の美意識に訴えるものがありました。

日本の美意識に触れ、日本の伝統工芸の素晴らしさを改めて認識し継承していかなくてはならないと感じました。
私たちが、みて触って感じて、素晴らしさを日常生活の中に取り入れて伝えていくことならできるでしょうか。

最後に

記念すべき令和元年最初のイベントとして「NIPPONDESIGN壁紙アワード2019」が本格的にスタートします。特設サイトはもうご覧になりましたでしょうか?
自分のデザインが壁紙の製品として採用されるチャンスです。ぜひ、チャレンジしてはいかがでしょうか。
事前Webエントリー期間は5/20〜6/27で応募期間は6/1〜6/30となります。
→詳しくは「NIPPONDESIGN壁紙アワード2019」特設サイトをご覧ください。

 

レポート:有城貞子/写真:古澤、有城

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