1. IIDA top >
  2. 会員の視察・旅行記INDEX >
  3. 【吉田亜希子のUSA JOURNAL 2015年3月号】

会員の視察・旅行記

吉田亜希子のUSA JOURNAL 2015年3月号(2015.3.1)

2月になり日本と同じく冬の寒さもピークとなっているアメリカ。北米Boston辺りでは2メートル近い積雪など、日々ニュースでその寒さが伝えられています。北部に比べれば暮らしやすいと言われるここバージニアですが、それでも毎日、最低気温も最高気温もマイナスというような日々。実際この記事を書いている今日も朝から雪が降り続いています。

そんな中、我が家の玄関ホール天井に設置されている火災用スプリンクラーに繋がる水道管が、この極寒によって凍り破裂。天井から大量の水が漏れてくるというハプニングが。大家さんに電話をし、業者さんを呼んでもらって3日間かけて修理。電話後すぐに対応してくれましたし、玄関ホールが水浸しになった以外には大きな被害は無く良かったですが、水道管がPVC(ポリ塩化ビニル)というのには驚きました。アメリカではこれがスタンダードだそうで、その為、この時期になるとこういったケースは良くあるとの事。業者さんも「今日はこれで6軒目だよ」「玄関ホールも24時間ちゃんと暖房してね。また凍っちゃうから」と…。日本でインテリアの勉強をしていた頃、「日本は欧米に比べ住宅ライフサイクルが短い。今後は地球環境に配慮したsustainable home(持続可能な長寿命住宅)の促進が必要」と習いましたが、実際築50年前後の長寿命住宅が立ち並ぶアメリカでも、やはり環境配慮という点では、まだまだ発展途上な印象です。

そんな訳で今月はこの寒さと雪で、特に旅行やイベントに出かけることもなく過ごしておりますのでネタ不足(笑)。ですので今回は、私が今のこの家に住むことになった経緯を書いてみたいと思います。実は現在アメリカに来て8ヶ月目ですが、もう既に引越を経験し、ここは2軒目の家なのです。

初回の記事にも書きましたとおり、私がアメリカに来ることになったのは主人の転勤に伴ってのこと。2年交代のアメリカ駐在です。その為住居は、歴代同ポストの駐在家族が入替り立替わり、家具や生活用品ごと引き継いで住んできた一軒家。家の中では靴を脱ぎ、比較的綺麗に使う日本人を気に入ってくれているアメリカ人の大家さんより、何代も前から賃貸契約を継続して住んできたとの事。その為出国前から住所は分かっていたので、密かにGoogle MapsのStreet Viewで家の外観や近隣の風景はチェックしていた私。でも実際アメリカに降り立った昨年6月。緑いっぱいで気候も爽やかな季節、実際に目の前にしたバージニアは想像以上に美しく、そしてそこに建つコロニアル風の家々も正にアメリカドラマに出てくる風景そのもの。これからここで2年間暮らすのだなんて何だか信じられないような、本当にそんな気分でした。

ただ実際に暮らし始めてみると流石、築57年(!)の家。水廻りや建具、地下室等はやはりその築年数をしっかり感じさせてくれるコンディションでした(笑)。でもレンガ作りの外観やハードウッドのフローリング、煙突に繋がる本物の暖炉が付いたリビング等はとても趣があって素敵。古いけどとても可愛らしいこの家を何とか気持ち良く暮らせる様にしようと、最初の数ヶ月程はインテリア魂をフル稼働して頑張りました。

そして、ちょうど3ヶ月程が経った9月。家の中も落ち着きアメリカの生活にも徐々に慣れてきた頃、大家さんが初めて私達に会いに来るとの連絡が。勿論、賃貸契約の為にメールや書類上ではやり取りをしていたのですが実際にお会いするのは初めて。ただ当日、挨拶に来てくれた大家さんと主人との会話が何だかおかしな雰囲気。それでも英語が全く聞き取れず、状況が飲み込めない私は、「時々水漏れする洗面所を直して欲しいと伝えて」とか、「お昼まだ食べていないのだったら一緒にランチしないかと伝えて」とか(笑)、主人に小声で一生懸命アピールするものの、主人はそんな私を真顔で制止。結局、最後まで何が何だか分からないまま笑顔で大家さんを見送った後、主人から伝えられたのは、「大家さんがこの家を売ることにしたそうだから数ヶ月の間に引越さなくてはいけないらしい」とのこと…!!!
私の最初の数ヶ月間は何だったんだろう…。ついでにさっきの笑顔も返して…(笑)

私達が最初に住んでいたその家の周辺は、世帯所得や公立校のレベルも全米有数と言われる地域。そのため非常に治安も良く、安全を求めてDC周辺に勤務する日本人も比較的多く住んでいます。ただここ数年は、その教育レベルの高さと治安の良さに魅力を感じた多くの高所得中国人が、この地域の土地を買いたいと手を挙げており、むしろ需要に対して土地が足りないくらいとの事。それに伴い土地の価値はどんどん上がっており、昔からその周辺に土地や家を持っていたアメリカ人も、今が売り時と判断して売却の決断をする方が多い様です。

 

INDEXに戻る

ページ上部に戻る