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会員のお仕事

Designer’s House / Designer’s Project
デザイナーの住まい・仕事 vol.5

アートギャラリーのような家  T邸 第3回

IIDA Japan Chapterメンバーの住まいや手がけた物件を紹介するDesigner’s House/Designer’s Project。
今回は、都内の住宅街に建つT邸をご紹介します。

text & photographs: Eriko Hosoi
photographs : Keiko Ushiyama
Ikuyo Takakuwa

都内、街道沿いにある駅前の商店群。活気ある商店の中を通るように続く私道を抜けると、初夏の日差しを浴びて豊かな表情を見せる木々の緑とグレーの外観が印象的な建物が目に飛び込んできます。古くは江戸時代に宿場町として栄えた板橋宿があった場所からほど近いその街に、築60年以上経っていたという古い日本家屋から現在の家に建替えたのが2000年の6月。約12年前のことです。設計は当時からTさんと一緒に数々のプロジェクトに携わってこられた久保木保弘氏。

エンジェルがいる部屋

Tさんのプライベート空間は上品でエレガント、そして柔らかな印象の優しい部屋でした。基調色はベージュ。上質なベッドリネンや美しいテーブルリネン。書き物から肌のお手入れまでマルチに活躍してくれそうな大きなデスク回り。専用のパウダールームの壁面もベージュのタイルで統一されています。
鏡回りや壁面には光沢のあるタイルをアクセント使いする演出も。テラスにはグリーンを配し、藤製のオットマンに座ってゆっくり本を読みたくなる落ち着ける空間です。ベッドサイドやパウダールームにもやはり様々な飾り付けがあります。よく見ると天使/エンジェルのものが多いことに気がつきます。小さい頃から大好きだというエンジェル。
Tさんの女性らしい一面、かわいらしさがそんなところからも伝わってきます。

高桑邸はどの部屋からも豊かな緑や花を楽しみ、自然の光や風を感じ、落ち着いた空間設計の中に、心を豊かにしてくれるお気に入りの“ものたち”が飾られた、“つい立ち寄りたくなる”アートギャラリーのような住まいです。
そこにはTさんやご家族のお人柄でしょうか、決して敷居の高い家ではなく、いつでも誰でも心地よく過ごせる、人の気持ちを和ませてくれるような空気が漂っていました。取材時に出して頂いた干菓子がのった豆皿もユーモアあふれる一品。そんな風に家で使う、飾る日常のものをお店や旅先で見つける喜び、飾る楽しみを満喫されている姉妹の素敵な関係が、そのまま住まいにも溢れているように感じました。

 






明るい寝室


専用のパウダールーム







寝室のエンジェルや装飾品





和室とテラス そのグリーン

窓からは常に緑が楽しめる工夫を

文字と絵の合わせが面白い洒落がきいた豆皿
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