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Designer’s House / Designer’s Project
デザイナーの住まい・仕事 vol.3

モノクロームの誘惑 N邸 第2回
IIDA Japan Chapterメンバーの住まいや手がけた物件を紹介するDesigner’s House/Designer’s Project。
2011年を迎えての第3回目は、東京の中心ともいえる皇居に程近い場所にあるN邸をご紹介します。
text & photographs: Eriko Hosoi
photographs : Keiko Ushiyama
東京の中心ともいうべき、大使館やオフィスビルが建ち並ぶ一角にN邸はあります。インテリアデザイナーであり、カラーの専門家でもあるNさんの住まいとは? 3回にわたってご紹介します。
パリのデザインホテルのようなベッドルーム
N邸のプライベートスペースをご紹介しましょう。
まずは息子さんの独立を機に壁を取払い広くなったベッドルーム兼ワークスペース。ここでも白が基調色になっていますが、床のタイル、ベッドスペースの壁面には深みのあるグレイッシュカラーを使用し、落ち着きのある空間に。
モダンなデザインで人気のマッサージチェア(素敵なパーソナルチェアにしか見えません!)は黒で空間を引き締めます。また、Nさんが大好きだと言うグリーンもクッションとして部屋に彩りを加えています。ベッドヘッドウォールに付けられたブラケット照明や額がまるでパリのデザインホテルのようです。
そして何とも羨ましいワークスペース。仕事に必要な収納量を確保しつつ、美しいもの、好きなものを飾る余裕も忘れない機能的なキャビネット。デスクの左右に収納を配したコの字型配列で機能的な動線を確保。デスク前には窓もあり、日中はスクリーン越しに柔らかな日差しも得られ、仕事のストレスも軽減してくれることでしょう。入口正面にあたるキャビネットのカウンタースペースにはグラフィカルモチーフのクロスが貼られ、アクセントになっています。
続いて、同居されているお嬢さんのお部屋も今回は特別に見せていただきました。入ってすぐにカメラマン共々「素敵!カワイイ!」と声を上げたこの部屋は大変コンパクトながらそれを感じさせない工夫がいくつもありました。
窓辺から続く右手の壁面にはオリジナルのデスクコーナーがあり、その手前はクローゼットになっています。限られたスペースのためクローゼットの扉は敢えて付けず、開閉に場所を取らないカーテンスタイルに。Black & Whiteの大胆な柄と真っ赤な椅子の組み合せが何ともキュート。ベッドサイドの壁面にはミラーで出来た葉っぱがまるで風に吹かれて飛んできたように散りばめられています。これらは全て根元さん自身のセレクト。お嬢さんもインテリアにはお母様に全幅の信頼を寄せていらっしゃるようです。
次回は『飾る喜び、創り出す喜び』をお送りします。

ベッドスペース(ベッドヘッド裏手はウォーキングクローゼット)


ベッドヘッドのアート(伊・フローレンスのギャラリーにて)


ワークスペース



キャビネットのカウンタースペース



お嬢さんのベッドルーム
